P9 3.視覚障害者のボランティア活動 実践活動「3の1」 【開催概要】 イベント名:パラフェス2018〜アンロックユアセルフ〜 開催日時:2018年11月23日 場所:武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナ 来場者数:6,000名 主催:にっぽんざいだんパラリンピックサポートセンター 視覚障害者ボランティア参加者数:13名(全体のボランティア参加者数:79名) 担当した役割:パンフレット等の封入作業、にゅうじょうぐちでパンフレット等の配布 【活動レポート】 「パラフェス2018」にて、筑波大学関連機関の協力のもと、13名の視覚障害者のボランティア参加のコーディネートを行った。 視覚障害者は、視覚に障害のない人とチームになり、パンフレット等の封入作業、にゅうじょうぐちでのパンフレット等の配布を担当した。 ボランティアに参加した視覚障害者からは、「視覚障害者にも十分できる内容のボランティア活動だった」という声が聞かれた一方で、 当日の全体説明では、トイレや入場ゲートの場所の確認の際に、視覚に障害のない人の移動のスピードについていけず、 視覚障害者だけが取り残されてしまい、説明内容を十分に理解することが出来なかったなど、オペレーション上の課題も多くあった。 また、休憩場所に机の設置が無く、視覚障害者が食事をすることが困難であったことなど環境面での課題も散見された。 後日、関係者で行われた意見交換会では、活動時ははくじょうを使用しないため、来場者が視覚障害者と理解出来ず、接触する場面があったという報告があった。 また、火災やテロなどの有事の際に、視覚障害者を守るという意味でも、視覚障害者であることを周囲に示す工夫が必要だという意見も聞かれた。 次回以降の改善点として、以下の項目を実施することを確認した。 <次回への改善策> ・視覚障害者の集合時間を30分早くし、事前に活動内容の説明や活動場所の空間把握を行う。 ・休憩場所に机を設置する。 ・周囲から視覚障害者と認識できるよう「視覚障がい」と書かれたシールをビブスの前後に貼付する。 【アンケート調査】 視覚障害者と視覚に障害のない人がチームで活動した際の満足度の比較(n=29) 視覚障害者のアンケート結果 よくなかった1名(3パーセント) あまりよくなかった4名(14パーセント) よかった5名(17パーセント) 視覚に障害のない人 よかった4名(14パーセント) とてもよかった15名(52パーセント) 実践活動の終了後に、ボランティア参加者へアンケートを実施。 全体の結果を見ると満足度は高いが、視覚障害者と視覚に障害のない人で比較すると、視覚障害者の満足度は低く、視覚に障害のない人の満足度が高い結果となった。 【参加者の声】 視覚障害者@ 視覚障害者はもっと外に出て、視覚障害のない人と交わるといいと思う。経験を積まないと、お互いコミュニケーションの方法がわからないままになる。 ボランティアをすることで、一緒に作業できるので、とてもいいことだと思う。 視覚障害者A 視覚障害者がボランティアに参加するということが事前にアナウンスされず、視覚障害のない人とボランティアを行ったという感覚があまりありませんでした。 視覚障害者自身も一緒に作業するかたに詳細な見え方を説明するのは勿論ですが、視覚障害者が視覚障害のない人と同じ作業をするためには、 視覚情報を他の方法で得やすい環境か、視覚障害のない人から教えてもらう必要があるため、 視覚障害者と視覚に障害のない人がともにボランティアをするためには様々な面での改善が必要であると感じました。 視覚に障害のない人 今後もボランティアをする立場として、身近に視覚障害者がいらっしゃらないので、いろいろコミュニケーションが取れる機会があると良いと思う。