P5 視覚障害者のボランティア参加 実践報告 1.概要 にっぽんざいだんボランティアサポートセンター(以下、ボラサポ)では、筑波大学関連機関の協力のもと、 視覚障害者がボランティアとして活躍するために、以下の実践を行った。 名称 視覚障がい者ボランティアセミナー 〜東京ニーゼロニーゼロオリンピック・パラリンピックに向けて〜 日付 2018年9月25日  参加人数87名  参照ページ P5 実践活動「3の1」 名称 パラフェス2018〜アンロックユアセルフ〜 日付 2018年11月23日 参加人数 13名 参照ページ P9 実践活動「3の2」 名称 パラ駅伝 イン トウキョウ 2019 ひづけ 2019年3月24日 参加人数 14名 参照ページ P11 実践活動「3の3」 名称 アイ エンジョイ!パラスポーツパーク イン 東京おもちゃショー2019 ひづけ 2019年6月15日から16日 参加人数 14名 参照ページ P13 実践活動「3の4」 名称 新豊洲サマーナイトフェス 日付 2019年8月23日から24日 参加人数 3名 参照ページ P14 実践活動「3の5」 名称 (1)パラフェス2019〜アンロックユアセルフ〜 (2)アイ エンジョイ!パラスポーツパーク イン パラフェス 日付 2019年11月16日 参加人数 12名 参照ページ P15 2.視覚障害者ボランティアセミナー 【開催概要】 開催日時:2018年9月25日 18時から20時 場所:筑波大学東京キャンパス文京校舎122講義室 参加者数:87名 主催:筑波大学理療科教員養成施設 共催:にっぽんざいだんボランティアサポートセンター    ブラインドパラミーティング    筑波大学オリンピック・パラリンピック総合推進室 【プログラム】(肩書は、当時のもの。敬称略) 1.主催者挨拶(筑波大学理療科教員養成施設 施設長 緒方昭広) 2.セミナーの目的(日本パラリンピアンズ協会 会長 河合純一) 3.東京ニーゼロニーゼ大会ボランティア説明・応募の仕方(文教大学 人間科学部 准教授/にっぽんざいだんボランティアサポートセンター 参与 二宮雅也) 4.質疑応答 5.提案発表(二宮雅也) 6.閉会の辞(筑波大学理療科教員養成施設 前施設長 宮本俊和) にっぽんざいだんボランティアサポートセンター(以下、ボラサポ)は、筑波大学理療科教員養成施設とともに 「視覚障害者ボランティアセミナー 〜東京ニーゼロニーゼロオリンピック・パラリンピックに向けて〜」を開催し、視覚障害者を中心に87名の参加があった。 本セミナーでは、東京ニーゼロニーゼロ大会のボランティア募集について、 ボランティアの役割や応募方法を視覚障害者にも理解を得やすいよう音声情報により解説するとともに、 ボランティアに参加する上での疑問や要望について参加者と講師の間で活発なディスカッションが行われた。 これらの内容をまとめ、「組織委員会へのみっつの提案」として二宮参与より発表を行った。 組織委員会へのみっつの提案 @体制の整備 さまざまな障害者がボランティアに参加しやすいよう、チームとしてのボランティア体制やサポート体制を整備してほしい (2012年ロンドン大会では、障害のあるボランティアをサポートするボランティアが配置されたという実例もある) A専門技術や知識の活用 鍼灸マッサージなど、専門技術や知識を持つ人が力を発揮できるような場を作ってほしい B障害当事者から学ぶサポート等の研修 ボランティア研修時に、障害者に対するサポート方法を障害当事者から学ぶ機会を設けてほしい 本セミナーを実施したことで、多くの視覚障害者に東京ニーゼロニーゼロ大会のボランティア応募を促すことができた。 一方で、視覚障害者が、ボランティアとして活動した実例が少なく、活動に対する不安の声が多く聞かれた。 そのため、今後、大会時のボランティア活動も想定し、視覚障害者のボランティア参加の機会をコーディネートすることとなった。 【会場からの質疑応答内容(一部抜粋)】 質疑応答では会場から多くの手が挙がり、活発なやりとりが展開された。 Q.鍼灸・マッサージの専門資格や語学力を生かし、ボランティアとして活躍したいが、視覚障害により移動に困難がある。 相談窓口などがあれば心強い。 A.採用プロセスで行われる面談で、必要なサポートや配慮について個別に伝えることができる。 また、大会期間中のトラブルなどに対応できる体制を整備するよう検討中。 Q.過去大会における、視覚障害者によるボランティアの事例は? A.車いすユーザーはチケット販売員や送迎ドライバーとして活躍した事例はあるが、視覚障害者の事例は少ない。 だからこそ、こん大会で日本がパイオニアとなり、新しいムーブメントのためのステップを構築することに意味がある。 例えば、通訳やパソコンへのデータ入力といった役割も可能ではないか。 鍼灸マッサージなどの専門技能については、選手は一般に専任トレーナーなどを帯同するので難しいかもしれないが、 他に活躍できる可能性も考えたい。 Q.資格を活かし、例えば、交通機関を待つ間、観戦者にクイックマッサージでおもてなししたい。 A.いいアイデアの一つとして、組織委員会に提案する。 Q.視覚障害があり、単独での行動は難しいが、チームで活動するボランティア体制なら参加しやすい。 A.ボランティアはチームでの活動体制が基本。障害の有無や年齢など多様な人たちがチームを組み、 助け合いながらよりよい活動ができれば、大会以降にも応用できるモデルになるのではと期待する。 Q.視覚障害者へのサポートや声かけの方法を指導する役割のボランティアもできそうだ。 A.ボランティアの研修会で、障害当事者から学ぶ機会を設定する方針。 Q.観戦者に競技説明をするボランティアがいれば、観戦もより楽しめるのでは? A.会場での競技説明は障害のある人だけでなく、幅広い人たちにも有用。検討したい。 Q.視覚障害者はサポートする人と予め組んでボランティアができないか? A.エントリーはそれぞれ個別で行う必要があるし、チームは採用された人で構成される。 チームで協力する体制を研修等で徹底させる必要がある。 大会ボランティアとは異なり、都市ボランティアは、自治体によってはチームでの応募が可能なところもある。