表紙 視覚障害者のボランティア参加 実践ほうこくしょ 〜東京オリンピック・パラリンピックとその先に〜 にっぽんざいだんボランティアサポートセンター P1 はじめに にっぽんざいだんボランティアサポートセンター  じむきょくちょう さわたりかずと 2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、経済的にもレガシーの観点からも大きな成功を収めた大会であると言われています。 その成功のけん引役となったのが、「ゲームズメーカー」と呼ばれる大会ボランティアでした。 7まんにんのボランティアで構成される「ゲームズメーカー」には、障害のあるかたも多く参加していました。 2015年に発表されたイースト・ロンドン大学のレポートでは、大会ボランティアの約4パーセントが障害のあるかただったという報告があります。 一方で、日本国内に目を向けると、障害のあるかたは、ボランティアをされる対象であって、 障害のあるかたがボランティアをすることは、まだまだ一般的ではありません。 また、障害のあるかたも、機会や情報の少なさから、ボランティアをするという選択肢を持つことすら難しいのが現状です。 東京ニーゼロニーゼロ大会の基本コンセプトの一つに「多様性と調和」という言葉があります。 それを体現するためには、一人でも多くの障害のあるかたに、大会ボランティアに参加してもらい、 障害の有無を超えて、一つのチームとして活動し、その経験を広げていくことが重要なのではないでしょうか。 そこで、私たちにっぽんざいだんボランティアサポートセンターでは、東京ニーゼロニーゼロ大会のボランティア運営をサポートする立場として、 2017年の設立当初より、障害のあるかたが、ボランティアに参加するためのハードルを下げられるよう、環境整備や情報保障に力を入れてきました。 特に、視覚障害の分野においては、筑波大学関連機関との連携により、大会本番でのボランティア活動に向けて、様々な実践をおこなってきました。 まずは、2018年に行われた東京ニーゼロニーゼロ大会のボランティア募集に先立ち、視覚に障害のあるかたを対象に音声のみでの説明会を開催しました。 次に、実際のイベント等で、視覚に障害のあるかたと一緒にボランティア活動を行い、どのような場面で、どのような配慮が必要なのかの実践を積み上げてきました。 今回の報告書は、参加者の声と共に、それらの具体的な実践例をまとめたものになります。 この報告書が、東京ニーゼロニーゼロ大会はもちろん、ボランティアのレガシーとして、これから開催される大規模イベント等のボランティア運営にも活用されることを願っています。 最後になりますが、報告書の作成にあたりご協力いただいた関係かくいに厚く御礼申し上げ、感謝の意を表します。 P2 目次 はじめに  にっぽんざいだんボランティアサポートセンター  じむきょくちょう さわたりかずと   1ページ 視覚障がい者がボランティア活動を行う意義  日本パラリンピック委員会 委員長 河合純一   3ページ 視覚障害者のボランティア参加 実践報告   5ページ  1.概要                        5ページ  2.視覚障害者ボランティアセミナー           5ページ  3.視覚障害者のボランティア活動            9ページ  4.アンケートから見る視覚障害者のボランティア参加   17ページ   視覚障害者がボランティアとして活躍するための7つの提案   19ページ 教育者から見る、視覚に障害のある人とない人が一緒にボランティア活動をすることの意義    筑波大学理療科教員養成施設 前施設長 宮本俊和   21ページ 東京ニーゼロニーゼロオリンピック・パラリンピックで視覚障害のある人とない人が共に活動することの可能性    にっぽんざいだんボランティアサポートセンター 参与  文教大学人間科学部 准教授 二宮雅也   23ページ 付録資料 ボランティアガイド〜視覚障害者サポート編〜   25ページ