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ボラサポ出張 in タイ
~シリントン技師装具士養成学校~

2019.12.18

12月13日の第16IAVEアジア・太平洋地域会議(タイ・バンコク)での登壇の翌日は、バンコクのマヒドン大学内にあるシリントン義肢装具士養成学校(Sirindhorn School of Prosthetics and Orthotics)を視察しました。

この学校は日本財団の助成先の一つです。日本財団では、1962年の設立以来、日本国内の他世界48か国を対象に様々な障害者支援活動に取り組んでいます。1990年代初頭、戦争や内戦の影響による地雷被害者の救済が国の再建に向けた最大の課題の一つであった東南アジア地域を中心に、50万本を超える技師義足を肢体障害者に提供してきました。またアジア地域内の人材によって義肢装具の提供を継続していけるよう、義肢装具士を養成する学校への支援も実施しています。今回視察させていただいた、シリントン義肢装具士養成学校もその一つで、2001年から支援しています。

シリントン義肢装具士養成学校の代表のNisarataさんから、

「義肢装具士養成の分野での学校はタイで唯一であり、その設立にあたり、専門家の確保や、設備等には苦労しました。タイ国内以外にも、34カ国の国から留学生を受け入れています。アジアだけでなく、アフリカの留学生もおり、義肢装具士の分野でこの学校は、東南アジアの中で拠点にもなっています。」と教えていただきました。

また学校内を見学もさせていただきました。学生の試作品も多数あり、紫色の義手は、修士課程の学生が作った義手です。

「指を動かすときに、腕の筋肉が収縮するときの微弱な電流を感知して、5本指を精密に動かす義手や、関節部にモーターやAIが生みこまれているような義足もあります。」と案内してくれた先生が説明してくれました。

専門家の皆さんの日々の努力が形になり、義手や義足はどんどん精巧になっているんですね。ただ、パラリンピックに出るような運動のために使う義肢装具は値段がとても高く、お金のためにパラスポーツに参加できない人も少なくはないそうです。

この学校には実際に一般の人が通院できるクリニックも併設されているため、学ぶ場としては大変充実した環境になっています。そしてこの学校にはなんと、日本からの留学生も!授業の途中でしたが、少しインタビューさせていただきました。

 

■修士課程2年 宮田祐介さん

「新潟の大学で技師装具について学び、その後、青年海外協力隊として東ティモールで技師装具の仕事に携わりました。さらに勉強したいと思い、ここタイに修士課程として学びに来ています。」

「東ティモールでは足がなくても義足をつけず、ずっと寝たきりになっている人もいました。一般に世界の全人口の0.5%の人に対して、なんらかの義肢装具の需要があると言われていますが、実際に供給できているのはその中の10%程度です。残り90%の人を自分の力で少しでも減らせるようにしたいなと思っています。」

今回のタイ出張は、第16IAVEアジア・太平洋地域会議(タイ・バンコク)の登壇も大好評で、シリントン義肢装具士養成学校では、視察は勿論、熱い想いの留学生に会うこともできた充実した出張となりました。