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トヨタ自動車株式会社の社内研修会で、
ボラサポの二宮参与とパラアスリート山本恵理さんが講演

2019.08.19

先日、東京都内で行われたトヨタ自動車株式会社の社内ボランティア研修に続き、8月2日、5日には愛知県のトヨタ自動車愛知本社にて行われ、ボラサポ参与の二宮雅也・文教大学准教授と、パラパワーリフティング選手の山本恵理さん(日本財団パラリンピックサポートセンター職員)が特別講演を行いました。

■多彩なモビリティで大会に貢献

講演に先立ち、研修会場近くにあるトヨタの環境・安全に関する最新技術や新型車を展示したトヨタ会館を見学することができました。

愛知県内では、ほとんどの小学生が社会見学の一環として、このトヨタ会館を見学するそうです。

こちらは、世界初の量産型セダンタイプの水素燃料電池自動車(FCV)である「MIRAI」。二酸化炭素排出量ゼロで環境にやさしく、東京2020大会でも活躍が期待される自動車です。

トヨタ会館の大洞和彦館長は「MIRAIは水素を燃料にする車です。ガソリンスタンドは約3万か所もありますが、水素ステーションはまだ約100か所ほどしかありません。また、都市部に集中しており、水素ステーション自体がない県もあります。MIRAIがオリンピック・パラリンピックで活躍してもらうのを見てもらい、今後水素ステーションもMIRAIも増えていってくれれば良いなと思います」と期待を込めていました。

また、東京2020オリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーであるトヨタ自動車は、大会で活躍する様々なモビリティ(車両)を開発しています。

このフィールド競技サポートロボット(FSR)は、競技中の投てき物(槍やハンマーなど)の回収・運搬を行います。轍ができないように、その都度走るコースを変えるなど、優れた自律走行機能を持ち、運営スタッフを追従したり、障害物を避けて走行しながら、投てき物の回収時間短縮と運営スタッフの労力低減に貢献する優れものです。

こちらの「i-ROAD」はバイク並みの使い勝手とクルマに近い快適性・安定性を両立する新モビリティとして開発され、車では入りづらい狭い場所を走行するときに使用することが検討されています。

東京2020大会では、競技だけでなく、最先端のモビリティ、ロボットの活躍にも注目するのもおススメです。

 

■大会を共生社会促進の契機に

今回の愛知県での社内ボランティア研修には、二日間でトヨタ自動車関連企業の社員約200名が参加しました。

研修は、まず二宮先生の講演から始まりました。フィールドキャスト(大会ボランティア)、シティキャスト(都市ボランティア)に関する基本的な情報や説明があった他、オリンピック・パラリンピックの知識を高めるクイズの時間もありました。

「日本のオリンピック初参加に尽力した日本人は?」「五輪マークの由来は?」「パラリンピックを企画した人は?」など、中には難しい問題もありましたが、こういった基本的な知識を知っていれば、東京2020大会に対する見方も変わって、楽しみが増えますね。

アイスブレイクの時間もあり、和やかな雰囲気の講演となりました。

 

続いて、山本さんの講演では、パラリンピックや共生社会について、そして自身が取り組んでいるパワーリフティングの魅力などをお話しいただきました。

パラリンピックの大きな意義として「共生社会の促進」が掲げられています。辞書を引くと一般的な共生社会の定義は出てきますが、山本さんが思う共生社会について、自身の経験から話してくれました。

「小学生のころ、鬼ごっこに入った時に、みんなのようには走れない私のために、友だちが特別ルールを作ってくれたんです。『恵理ちゃんは卵ね。殻に守られてるから、鬼に捕まっても鬼にならないよ』と。最初はとても楽しかったんですが、ただ、鬼ごっこという遊びは、鬼になったり、鬼から逃げたりするスリルを楽しむものです。私を捕まえても鬼にならないから、途中から誰も追いかけてこなくて、すごく悲しかったです」

「友だちは善意でそのルールを作ってくれたんですが、それはみんなと同じゴールではなく、私は楽しめませんでした。みんなが一緒に喜べる、同じゴールを目指せる、というのが私が考える共生社会です」

山本さんの実体験に基づく鋭い意見に、参加者の皆さんは深く聞き入っていました。

また、山本さんがパラリンピック出場を目指している、パワーリフティングという競技についても説明。「体重別に男女10階級に分かれているため、体重がすぐばれちゃうんです」とこぼすと、会場は笑いに包まれました。

男子のパラパワーリフティング107㎏超級の世界記録は、なんと310㎏。これは大相撲の白鵬関2人分ほどに相当するそうです。この記録を持っているイランのシアマンド・ラーマン選手は、東京2020パラリンピックで記録更新を目指すと言っており、東京2020パラリンピック注目のアスリートです。

質疑応答の時間では、「アスリートという立場でボランティアの方と接して嬉しかったことはありますか?」と質問があり、山本さんは「ボランティアの方から、ボランティアをしている動機や、それぞれの持っているストーリーを聞くと、私も熱くなるものがあり、とても楽しかったです」と答えていました。

アスリートが自分の話を聞いて興味を持ってくれているのは嬉しいですね。

最後に山本さんは、「自動車などのモビリティは人や物を運ぶものです。そこに心も乗せて、共生社会というセンスも乗せながらみんなで走っていけたらなと思っています。」と、トヨタ自動車の事業に絡めながら、想いを語ってくれました。

今回の東京2020大会が、皆さんの貴重なボランティアの機会に、そして共生社会の促進につながる契機になれば、うれしいですね。