JOURNALジャーナル

動かせ。世界中の気持ちを!
「Tokyo Volunteer 2020 ボラサポフェス」
3,000名のボランティアの心がひとつに!

2020

2021.04.07

いよいよ間近に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に向け、ボランティアの皆さまと心をひとつにしてモチベーションを高めていこうとの想いから、3月27日(日)にオンラインイベント「Tokyo Volunteer 2020 ボラサポフェス ~動かせ。世界中の気持ちを~」を開催しました!

当日は、Field Cast(大会ボランティア)やCity Cast(都市ボランティア)の方々はもちろん、各自治体で募集運営するホストタウンや聖火リレーのボランティアの方々など、総勢3,000名がYouTubeや生配信視聴専用アプリ「FanStreem」を通じて視聴。1年間の開催延期など、紆余曲折がありながらも、あらためて多くの人たちが開催への期待を膨らませていることを感じさせるイベントとなりました。ここでは、その盛り上がりの様子をレポートしていきます。


ついにイベント開幕! 大会開催への期待や実感が高まる!

平井さんと高橋さんには実は意外な縁が…。2009年に東京マラソンに初挑戦することになった平井さんと、現役最後の大会を控えていた高橋さんは、徳之島で一緒に合宿をしたことがあったそう。そのとき、親身になってアドバイスをしてくれたことから、平井さんは高橋さんを心の師匠だと思っているようです

2018年のボランティア募集開始からこれまでに至る軌跡をVTRで振り返り、今日まで様々な準備を進めてきてくださった皆さまの意気込みをさらに盛り上げる形でイベントはスタート。MCを務めるフリーアナウンサーの平井理央さんと、シドニー五輪金メダリストで東京2020大会の組織委員会理事を務める高橋尚子さんの軽快なトークでイベントの幕は開けました。

冒頭で高橋さんは、アスリートとして出場したオリンピックや引退後も参加している市民マラソンを含め、これまでに経験したどんな大会もボランティアの方たちがいなければ運営は成り立たなかったと説明。東京2020大会では、Field CastやCity Castの方々がこの役割を担ってくれることに心から感謝していると語ってくれました。

二宮雅也・文教大准教授

続けて、スポーツ・ボランティアについて長年研究を進めている、ボラサポ参与の二宮雅也・文教大准教授が登壇。自身が作成に携わった東京2020大会の研修プログラムが新型コロナウイルスの影響により対面からオンラインへ切り替わった経緯と、英会話や手話など、オンラインだからこそ、より効果的に学習できる取り組みが進んでいることを紹介。ボランティアの皆さんが安心・安全に大会当日を迎えられるよう、組織委員会や自治体が一体となって感染症対策を講じていることについてもお話してくださいました。

大会ボランティアは、一生の思い出となるエキサイティングな経験

ポール・シルバー・マイヤーさん(上左)とデボラ・リベイロさん(上右)

〜先輩ボランティアから学んだ、ボランティアの魅力と醍醐味〜

経験豊富な先輩ボランティアからその魅力や醍醐味をお聞きしようと、ロンドン大会でボランティアを務めたポール・シルバー・マイヤーさんとリオ大会でボランティアを務めたデボラ・リベイロさんに海外からリモートでテレビ電話をつなぎ、インタビューも敢行しました。

7歳のときに白黒テレビで観戦した東京オリンピックが自分の人生を変えたというポールさんは、「オリンピックでのボランティア経験は他では得ることのできない非常に貴重なもの。そのときの仲間は大会が終わった後にも多くのことを語り合う、ファミリーのような存在になる」と明言。デボラさんも「一生の思い出となるエキサイティングな経験を味わうことができる。だからこそ、ぜひ楽しんで挑戦してほしい」と話してくれました。

スタジオではField Castを代表して西川千春さん、City Castを代表して須藤扶美子さんを迎え、ボランティア・スピリッツの大切さを確認しながら、それぞれの想いを語ってもらいました。

オリンピック・ボランティアとして2012年の夏季ロンドン大会、2014年の冬季ソチ大会、2016年の夏季リオ大会に参加。東京2020オリンピックでは競技大会組織委員会 ボランティア検討委員を務める西川さん

「私は競技を終えたばかりの選手が受け答えるインタビューの通訳を担当しました。それは選手が世界に発信する第一声を伝えるという非常に恵まれた役目。歴史的瞬間に立ち会えたことに興奮しました。以来、ボランティア活動に心を奪われてしまい、3大会に参加することに……(笑)。皆さんにもそんな素晴らしい経験をしてもらいたいです」(西川さん)

東日本大震災で津波被害に遭われた須藤さんは、復興を手助けしてくれたボランティアの方々に刺激を受け、様々なスポーツイベントでボランティアをするようになったといいます。東日本大震災の語り部としても活動しています

復興五輪とも言われている東京2020大会は、東京会場だけでなく、被災地である宮城県や福島県でも競技が行われるので、その裏方として一助を担えることを大変嬉しく思っています。東日本大震災では、国内外からたくさんの援助をいただき、物心両面から支えてもらうことで私たちは前を向くことができました。その感謝を東京2020大会のボランティアとして少しでも伝えていきたいです」(須藤さん)


アスリートからボランティアへ送られた熱いエールとメッセージ

2019年にロンドンで開催されたパラ水泳世界選手権の100mバタフライで優勝し、今大会での金メダル獲得が有望視されているた木村選手。生配信視聴専用アプリ「FanStreem」では登場ともにコメントでの歓声があがり、今回のイベントのために特別に用意されたギフト「I love you」が飛び交いました

大会を支えてくれるボランティアの方々へ、アスリートからも心温まるエールや熱いメッセージが届きました。2012年のロンドン大会で銀・銅のメダルを1つずつ獲得、前回のリオ大会では日本人最多の銀2つ、銅2つのメダルを獲得したパラ水泳の木村敬一選手は、テレビ電話を通して生出演。

「生まれつき目が見えず、人が泳いでいる姿を見たことがない中で成長させていった自分の泳ぎが、金メダルを獲る瞬間を見てほしい」と大会へ意気込みを語り、2010年に中国で開催されたアジア競技大会の現地ボランティアの方が、ともに試合で戦うパートナーのようにサポートしてくれ、非常に嬉しかったという印象深い思い出を話してくれました。

そして、「自国で開催される大事な東京2020オリンピックで、自分は選手として、皆さんはField CastやCity Castとして、ともに盛り上げていきましょう」と呼びかけました。

また、柔道の阿部一二三選手やレスリングの川井梨紗子選手をはじめ、7人のアスリートもビデオ出演。次のようなコメントを寄せてくれました。

 

上山友裕選手(パラアーチェリー)

「これまでにいろいろな大会に出場させてもらいましたが、やはり、大会を成功させる鍵は、選手、運営スタッフの皆さん、そしてボランティアの皆さんがひとつとなること。今回の東京2020大会を成功させるのも、この3者が心から楽しんで取り組むことが大事だと思っています。僕自身もそのために残りの期間しっかり練習をします。もし、選手村や競技会場で僕を見かけた際は、ぜひ声をかけてくださいね!」

 

岡崎愛子選手(パラアーチェリー)

ボランティアの皆さんの存在は、私たちアスリートが競技をする上で、とても大きいもの。それだけでなく、地元の名産や観光地を教えてもらったり、一緒に写真を撮ったり、そのときの交流が非常に楽しい思い出としてずっと残っています。一緒に光となる東京2020大会を作っていきましょう」

 

川井梨紗子選手(レスリング)

「私たち選手は、ボランティアの皆さんの協力によって大会がスムーズに運営されていることを大変ありがたく思っています。東京2020大会の成功には、『大会の顔』となる皆さんの活躍が必要不可欠です。新型コロナウィルスによる不安定な状況をともに乗り越えて、東京2020大会で元気にお会いしましょう!」

 

見延和靖選手(フェンシング)

スポーツには心と心をつなぐ力があると思っています。しかし、それは我々アスリートだけでは実現できることでありません。ボランティアの皆さんのお力添えがあってのことです。自分もご協力くださる方たちに少しでも恩返しができるよう、引き続き全力で頑張ります」

 

太田渉子選手(パラテコンドー)

世界中が困難に直面していますが、できないことを数えるのではなく、今できることに目を向けて、ともに頑張っていきましょう! そして、どんなときも希望を胸に一緒に歩んでいきましょう!」

 

阿部一二三選手(柔道)

「東京2020オリンピックでは、自分の柔道をして、必ず金メダルを勝ち取りたいと思っています。大会は選手だけの力ではできません。みんなの力で大会を盛り上げていきましょう!

 

土井レミイ杏利選手(ハンドボール)

オリンピックという大きな舞台を盛り上げるのは、選手や観客だけではなく、ボランティアの皆様の力があってこそ。皆様も含めて、一つのチームだと思っています。我々が活躍する舞台を作り上げるために、貴重なお時間と体力を費やしてくださり、本当にありがとうございます。結果という形で恩返ししますので、皆さん一緒に盛り上げていきましょう!」

こうした選手たちのエールやメッセージに対し、高橋さんは「普段は応援されることの多い選手たちが、新型コロナウィルスが蔓延する未曽有の事態の中、大変な思いをされている皆さんをなんとか励ましたいと思っていことがすごく伝わってきました。選手がボランティアの方たちを想う気持ち、ボランティアの方たちが選手を想う気持ち、その熱い気持ちが、心と心をつなぐ大きなパワーになるとあらためて感じました」と締めくくりました。


現地で役立つ英語を学ぼう! 2人の特別講師による英会話レッスン

EFエデュケーション・ファーストのクリストファー・クレングレンさん

東京2020大会で、世界で活躍するアスリートとのコミュニケーションに欠かせないのは、もちろん、英語です! そこで、現場で役立つ英語を楽しく学ぼうと、ボランティアの皆さんに研修で英語を教えているEFエデュケーション・ファーストのクリストファー・クレングレンさんと、ラップを通じて社会貢献を意識した普及活動を行っているラッパーの晋平太さんによる英語レッスンも開催されました。

海外からの観光客の受け入れはないものの、海外選手団と接したり、日本在住の外国人を案内する機会はあるかもしれません。クリスさんは「Where do you want to go?(あなたはどこへ行きたいですか?)」というフレーズをテーマに、3つのシーンを想定して講義を行い、「温かいもてなし」「どうやって道を教えるか」「困った人はこうやって助ける」というポイントをレクチャーしてくれました。

フリースタイルラップの伝道師として、自治体や企業などと組んで日本各地でラップ講座も開催しているラッパーの晋平太さん

また、晋平太さんは使用頻度の高い英語フレーズをラップのリズムに乗せて披露。親しみやすく、覚えやすい英語の学び方をみんなで体験する時間となりました。


一体となって盛り上がった! スペシャルアーティストたちの生ライブ

まるでボランティアの皆さんの心の燃料になるかのように、情熱を込めて歌うHIPPYさん

そして、イベントのフィナーレを飾ったのは、どんなに困難な状況にあっても音楽で希望を紡いできた不屈のアーティストたちによる生ライブです。和製スティービー・ワンダーの異名を持つ、全盲のミュージシャンの、木下航志さん、元パラリンピック水泳選手で義手のバイオリニストの、伊藤真波さん、シンガーソングライターのHIPPYさんの3名が、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。

エネルギッシュな木下さんの熱唱ぶりには、多くの人が心を奪われました

伊藤さんは演奏を通じて、ボランティアの皆さんに応援を伝えたいと語ってくれました

途中から手話通訳の佐藤晴香さんも加わり、熱い手話パフォーマンスを披露してくれました

舞台の背後に設置されてスクリーンでは、リモートでつないだ全国各地のボランティアの皆さんが映し出され、肩を揺らしながら一緒に歌を口ずさむ様子も。その光景にみんなの想いがひとつなんだと勇気づけられました。


特別ゲストもビデオメッセージを寄せ、ボランティアの皆さんを応援!

また、今回のイベントには東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当の丸川珠代大臣、東京都の小池百合子知事、東京2020組織委員会の橋本聖子会長もVTRを通して出演。ともに東京2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げようと、大会を支えるボランティアの皆さんへ応援メッセージを寄せてくださいました。

アスリートの皆さまのみならず、ボランティアの皆さまのご活躍により、東京2020大会が社会全体にレガシーとして広がりを見せ、国内外に大会の基本コンセプトのひとつである『多様性と調和』を広げていくきっかけとなることを心から願っています。昨年の夏、大会まで1年を迎えたイベントで、白血病と闘って復帰を果たした水泳選手の池江璃花子選手が『スポーツは、人に勇気や絆をくれるもの』だとおっしゃっていました。私も本当にその通りだと思います。ボランティアの皆さまがこの大会を通じて、たくさんの人と出会い、様々な経験をし、そして、それらが人生の宝となることを心から願っています」(丸川大臣)

City CastやField Cast、聖火リレーのボランティアなど、様々な活動をされる皆さんは、大会を支え、盛り上げる、まさに『大会の顔』であり、大会の成功になくてはならない存在です。東京2020大会においては、開催の期間が延期され、それに伴って、ご心配やご不安な気持ちを抱かれている方もたくさんいらっしゃると思います。開催都市である東京都として、新型コロナウィルス感染症対策に万全を期し、またボランティアの皆さんが、ご自分の得意分野を活かして、活躍いただけますよう、安全・安心な大会の実現に向けた準備を進めてまいります。一人ひとりの心に確かなレガシーが刻まれる、素晴らしいオリンピック・パラリンピックをぜひ一緒に盛り上げていきましょう!」(小池都知事)

「私はアスリートとしてオリンピックに7回出場しました。その度に毎回、各国のボランティアの人たちに支えられ、そして励まされてきました。東京2020オリンピック・パラリンピックに出場するアスリートにとって、アスリートの近くでアスリートの活躍の場を作り上げてくれるボランティアの人たちがどれほど大事な存在か、私自身、身に染みて分かっています。日本全国のボランティアの方々と一緒に、大会の成功に向けてともに歩めることを心から誇りに思います。一緒に最高のオリンピック・パラリンピックを作りあげましょう!」(橋本会長)


イベントの最後に高橋さんは「1%でも夢を叶える可能性があるのなら、メダルをとる希望があるのなら、決して諦めない。それがアスリートです。できないではなくて、そこから何ができるかを夢中になって考え、進んでいくことが大事なんだと思います。皆さんとのこの時間を経て、相手を想う大切さや気持ちの温かさが世界をつないでくれることを確信しました。東京2020オリンピック・パラリンピックは、その瞬間を世界中の人たちが見て、泣いて、笑って、心をひとつにできる大会です。それを支えてくださるField CastやCity Castの皆さんと力を合わせて大会を成功に導きましょう!」と呼びかけ、締めくくりました。

アスリートもボランティアの皆さんも大会にかける情熱は同じです。同じオンライン空間で濃密な時間をともにしたことで、あらためて、みんなの気持ちがひとつであることを再確認できたイベントとなりました。

text by Jun Takayanagi

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