Journal

【withコロナ vol.14】
「コロナ時代のボランティア④」
~コロナ禍でボランティア活動を楽しむために~

2020.11.06

今回の連載では、第1回に新型コロナウイルスの感染経路は飛沫や接触であることや、コロナに負けない健康的な体づくりの大切さについてお伝えしました。そして第2回では、基本的な対策を徹底しながら正しく恐れることで、感染リスクが下がることをお話ししました。第3回では、イベントの現場では主催者が試行錯誤を繰り返しながら、ボランティアが安心して活動できるよう感染症対策を実施して運営をしたり、コミュニケーションをとっていることをご紹介しました。

コロナ禍にあっても、ボランティアのみなさんが主催者と協力しながら活動している姿が、少しずつイメージできてきたのではないでしょうか。

そこで、最終回では活動再開に向けたイメージをより具体的に膨らませてもらおうと、ボランティア経験者にお話を聞きました。

コロナ禍のボランティア活動を楽しむために、どんな準備をしているのか。また、活動に参加するにあたって注意しているポイントにはどんなものがあるのか。ボランティア経験豊かな川村徹夫さん、北風美代子さん、澤田健太郎さんの3人に研究会へご登壇いただきました。

さらに、コロナ禍でボランティア活動を楽しむにあたって、法的にどんなことに気をつけておかないといけないかを、金山卓晴弁護士(あさひ法律事務所)にお話を聞きました。
(※記載されている内容は研究会を開催した9月23日の時点での情報をもとにしています。)

このコロナ禍の期間を、よりよい活動への充電期間へ(ボランティア経験者のお話から)

マラソン大会を中心にトライアスロンや陸上競技などのボランティアをしている川村さん、Jリーグをはじめ東京マラソンや地域のスポーツイベントなど数々のイベントにボランティアとして参加している北風さん、そして、Jリーグやマラソン大会などのスポーツボランティアのほか、東京都の観光ボランティアにも登録しているという澤田さん。

様々な現場で活動している3人に共通していたのは、ボランティア活動への参加を心待ちにしているということでした。

コロナの流行により所属しているチームでのボランティア活動は休止していますが、この機会を充電期間ととらえ、空いた時間を使って仲間とオンラインで情報交換をして交流したり、より活動を楽しむための知識を学ぶ期間として利用しているそうです。

「ボランティア情報の交換を通じて、結束が生まれて、モチベーションが上がっている」(川村さん)
「現場に行けなくてもオンラインで会って、仲間同士つながっているのを感じた」(北風さん)

「困難な時期だからこそ、人を成長させる」(澤田さん)

など、ポジティブなコメントがたくさん出てくるのが印象的でした。

コロナ禍だからとあきらめるのではなく、この期間を前向きにとらえ、できる準備をしていくこともボランティアを楽しむための方法の一つなのだと思いました。

また、コロナ禍のボランティア活動に参加する場合に特に気をつけたいことは「体調が悪い時は無理をしない」ということでした。

心待ちにしていたボランティア活動が再開したときは、「少しくらい体調が悪くても参加したい」と思ってしまうかもしれません。しかし、万が一感染していた場合には感染を広げてしまうかもしれないので、「参加するのをやめる勇気も大切」とのこと。また、楽しみにしているボランティア活動に気持ちよく参加するためにも、日ごろから健康的な体づくりをしておくことが大切ですね。

そして、経験の浅い人は無理をして参加してしまうかもしれないので、「長く経験している人がサポートしてあげることが大事」(北風さん)と、経験者ならではの視点でアドバイスをいただきました。

 

法的な視点から、コロナ禍でのボランティア活動について考える(金山弁護士のお話)

新型コロナウイルスは100%感染を予防することはできません。ボランティア活動に参加することで、自分が感染してしまうかもしれないし、誰かに感染させてしまうこともあるかもしれません。コロナ禍でボランティア活動をする上で、法的にはどのようなことに気をつけておかないといけないのでしょうか。金山弁護士にポイントを聞きました。

法的な視点からは「主催者は感染症対策を実施し、ボランティアが安全に活動できる環境を整えておく必要があります。それと同時に、ボランティア自身もイベントを成功させるために、主催者が定める感染症対策を遵守する必要があります」とのことです。

コロナ禍でボランティア活動を実施する時には、主催者とボランティアの協力が不可欠です。そのため、主催者から感染症対策の遵守に関する承諾を参加条件として求められると思います。

主催者が実施を求める検温に協力しない、体調不良を隠して活動に参加するなど、遵守事項を守っていなかったり、違反して感染が広がってしまったら、主催者が運営上の責任を問われることがあるかもしれません。これではボランティアをすることでかえって主催者に迷惑をかけることになってしまいます。

コロナ禍でボランティア活動に参加するときには、主催者がどんな感染症対策を実施しているか、ボランティアとして何を守るよう求められているのか、しっかりと確認して、実行していくことがポイントになります。

ボランティア活動を安心して楽しむためにも、しっかりと活動条件を確認して、遵守事項は必ず守るように心掛けましょう。

 

ボラサポ 二宮 雅也 参与 (文教大学准教授)のコメント

今回の研究会では、日頃からスポーツボランティア活動を実践されている方々に、コロナ禍におけるボランティア活動の現在をお聞きしました。すでに活動を実践されている方からは、主催者から発表される感染症対策の把握や理解の重要性が話されました。また、活動再開を心待ちにしている方からは、主催者からの定期的な情報提供の必要性が、気運情勢の観点からも重要であることが話されました。

ただ、コロナ禍におけるボランティア活動には不安はつきものです。少しでも安心したボランティア環境をどのようにすれば提供できるのでしょうか。

やはり「もしも」の時は大丈夫なの?ということが気になります。法的な観点からご説明頂いた金山弁護士からは、ボランティアへの主催者からの丁寧な説明と、情報共有がポイントになることを教えていただきました。コロナ禍におけるボランティアとの主催者とのコミュニケーションの重要性については先回もコメントしましたが、今回の研究会でも、実際にボランティアをしている方、法的専門家の意見からもそれが裏づけられました。

withコロナ時代のボランティアのこれから

「コロナ時代のボランティア」シリーズは全4回に渡り、研究会で学んできたことを紹介してきました。いかがでしたでしょうか。新型コロナウイルスと共存するこれからの社会では、ボランティア活動の現場でも感染症対策が欠かせません。

ウイルスに対する新たな研究成果やワクチン、治療薬の開発により、感染症対策はこれからも変化していくでしょう。ボランティア活動を楽しむためにも、最新の情報を常に収集し、正しく恐れることを心掛けましょう。

この連載はこれで終わりになりますが、ボラサポでは引き続きボランティア活動における感染症対策を学んでいきます。
不定期になりますが、これからもこちらのホームページで感染症対策について
ご紹介していきますので、ぜひチェックしてください。