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【テストイベントレポート】
自転車競技(ロード)vol.1 大会ボランティア(フィールドキャスト)編

2019.08.02

文:石川実恵子/撮影:鰐部春雄

オリンピック・パラリンピックを1年後に控え、各地で行われているテストイベント「READY STEADY TOKYO」。そのうち、自転車競技(ロード)」が7月21日に開催されました。

ボラサポではスタート地点の武蔵野の森公園(東京都)でフィールドキャスト(大会ボランティア)を、またゴール地点の富士スピードウェイ(静岡県)に近いJR御殿場駅周辺でのシティキャスト(都市ボランティア)の活動の様子を取材しました。2回に分けてお送りするレポート、初回はフィールドキャストの活躍ぶりをご紹介します。

テストイベントは、1年後の本番に向けての予行練習。大会運営の能力を高めることを目的に実施されます。自転車競技(ロード)は東京都、神奈川県、山梨県、静岡県にまたがる全長179kmものコースを、各国代表チームなどの計約120人が走り抜け、ボランティアのみなさんも、本番を見すえての活動となりました。

■受付業務

会場の武蔵野の森公園入り口で、観客への案内やボランティアの受付をするのが「受付業務」のボランティアです。

活動中は暑さ対策が必須となりますが、ボランティアの受付では塩分補給の飴や冷却シートなどが渡されました。

受付業務を担当し、受付が終わってからはボランティアスタッフ向けのお弁当を配布していた若杉博雄さんは「ボランティア活動にはよく参加しているのですが、今日はオリンピック・パラリンピックのイベントということで、気合が入りました。ボランティアの方たちが“次もまたやりたい”と思ってもらえるように、明るいあいさつと笑顔を心がけました」と話しました。

■アスリートサービス

選手のサポートやコースの誘導、警備など、「アスリートサービス」の仕事は多岐にわたります。

アスリートサービスのひとつで、コース上に立ち、競技を見守る「マーシャル(立哨員)」の多くは自転車競技の審判資格を持つボランティアのみなさん。出発前の打ち合わせをしていた新井清美さん(写真左)と玉木孝子さん(写真右)は「こんなに大きな大会に参加するのははじめてです」とドキドキの様子。「選手のみなさんが安全に走り切ってほしい」と願いながら、コース上の配置場所へと向かって行きました。

各チームのテントが並ぶ待機エリアで、弁当の配布など、選手のサポートをしていたのは、自転車のイベントなどのボランティアを10年以上やっているという金子正夫さん。ボランティア活動の幅を広げるために、今年2月には自転車競技の審判資格を取ったと言います。「競技大会のボランティアははじめてだったけど、ボランティアの仕事内容は同じ感じでよくわかっていたので、だいたいスムーズにできたと思う」と話します。「2020大会が近づいてきたと実感できた。今日の反省を本番に生かしたいね」と気を引き締めました。

大学4年生の菰田健太さんは、スタート地点付近で、お客さんがコースに入らないよう、警備を担当しました。「とても楽しかったです。選手との距離が近くて興奮しました。ぼくは自転車ロードレースを知りませんでしたが、今回知らなかったスポーツに出あうことができ、よい経験ができました」と充実した表情。課題もあったようで、「ボランティアの役割があいまいな部分があったように感じました。自分にできることを考えて動きましたが、なかにはどうしたらよいかわからなくて困った人もいるかもしれません。次はボランティア同士の横の連携、コミュニケーションも意識しながら活動したいです」と抱負を語りました。

選手の待機場所周辺の警備にあたった遠藤ひかるさん(写真左)は「自転車競技に興味があったのと、本番の雰囲気、暑さ対策を知りたくて参加しました。あとはやっぱり楽しみたいですね」とワクワクしながら参加しました。一緒に警備担当となった江面香織さん(写真右)もうなづきつつ、「今日をとても楽しみにしてきました。オリンピック・パラリンピックに参加できるなんて貴重な機会。“せっかくだから精神”で申し込みました」と笑います。活動終了後は「選手を本当に間近で見ることができてびっくりしました」とうれしそうに話しました。

■コースサポーター

自治体など、組織委員会とは別の団体の呼びかけにより集まったボランティアのみなさんが、コースサポーターとして道路上のコースの設置と片付け、警備にあたりました。

約5年前に退職してからボランティア活動を始めたという70歳代の福田孝史さん(左)と川島清さん(写真右)は「社会との関わりや人とのふれあいは大切。自分のリフレッシュにもなるしね」と元気いっぱい。柵の設置は重くて大変だったのでは、と問うと「大変だなんて思ったらボランティアはできないよ。こういうのも楽しみだね」とのこと。東京2020大会はシティキャストで参加されるそうです。

ボランティアの活動の様子を視察したボラサポ参与の二宮雅也・文教大学准教授は「みなさん楽しそうに笑顔で、積極的に活動していました。とはいえ、最初からうまくいくことばかりではありません。本番までの1年間、日本中でいろいろなスポーツイベントが開催されますから、どんどん参加して、パフォーマンス力を上げていただきたいです」と話しました。また「ボランティア活動をしていて、気づいたこと、今後に生かせそうなことがあったら、リーダーに話し、みんなで共有しましょう。それがよりよい活動につながっていくことでしょう」とも。

組織委員会の古瀬浩一さんは「今日のボランティア活動を心待ちにしていた方もいらっしゃいました。メンバーのなかには日本語があまりお上手ではない外国の方もいましたが、まわりの人たちが協力して、笑顔で活動しており、チームワークが見られました。研修でも、みんなで一つになる『ワンチーム』ということはお伝えしていたので、それを意識してくれたのかなと思います」と手ごたえを感じた様子でした。

今後も各競技でのテストイベントが予定され、本番への準備が本格化していきます。テストイベント情報は組織委員会公式サイトをご覧ください。